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アイアンコンドルとは?仕組みと向いている相場

アイアンコンドルのアイキャッチ。中央の利益ゾーンと両端の最大損失を示した台形の損益図
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ウィブル(Webull)証券
目次

「動かないこと」に賭ける4枚の組み合わせ

アイアンコンドルは、株価が一定の範囲(レンジ)から大きく外れなければ利益になるという、少し変わった戦略です。値上がりや値下がりを当てるのではなく、「この範囲からは出ないだろう」という見込みに賭けます。

使うオプションは4枚。下落側にプットのスプレッド、上昇側にコールのスプレッドを置き、両方とも「売り」を含む形にします。組み立てた時点でプレミアムを受け取って始まる(クレジット型)ため、時間が経ってオプションの価値が目減りすること自体が利益の源泉になります。

バーティカルスプレッドを上下に2つ重ねた構造なので、2枚の組み合わせの考え方を押さえてから読むと理解しやすくなります。

アイアンコンドルの仕組み|プットスプレッド+コールスプレッド

アイアンコンドルは、同じ銘柄・同じ満期日の4枚で構成されます。

  • プットを1枚売る(現在の株価より下の権利行使価格)
  • プットを1枚買う(売ったプットよりさらに下の権利行使価格。損失の歯止め)
  • コールを1枚売る(現在の株価より上の権利行使価格)
  • コールを1枚買う(売ったコールよりさらに上の権利行使価格。損失の歯止め)

下側の2枚が「ベアプットスプレッドの売り版(クレジット型のプットスプレッド)」、上側の2枚が「ベアコールスプレッド」と呼ばれる組み合わせです。株価が真ん中の範囲にとどまれば、4枚とも無価値になって消え、受け取ったプレミアムがそのまま利益になります。

買いの2枚は「保険」の役割です。株価が想定を超えて大きく動いたとき、損失が際限なく膨らむのを買いの行使価格の位置で止めます。この歯止めがあるため、オプションの裸売りとは違って最大損失が組み立てた時点で確定します。

アイアンコンドルの4枚構成図。買いプット85ドル、売りプット90ドル、売りコール110ドル、買いコール115ドルの位置と利益ゾーン

モデルケースで見る損益

では、数字で確認しましょう。以下はすべて架空のモデルケース(例)です。

モデルケースの設定

現在の株価は100ドル。しばらく大きな動きはないと見込む

権利行使価格90ドルのプットを、プレミアム1.2ドルで売る

権利行使価格85ドルのプットを、プレミアム0.5ドルで買う

権利行使価格110ドルのコールを、プレミアム1.2ドルで売る

権利行使価格115ドルのコールを、プレミアム0.5ドルで買う

差し引きで受け取るプレミアム(クレジット)は (1.2 - 0.5)+(1.2 - 0.5)= 1.4ドル × 100株 = 140ドル

アイアンコンドルのモデルケース条件表。4枚の権利行使価格とプレミアム、受取クレジット140ドル

満期時に株価がどうなっていたかで、結果は次のように分かれます。

満期時の株価損益備考
120ドル-360ドル最大損失(115ドル以上は一律)
115ドル-360ドル買いコールの行使価格に到達
111.4ドル0ドル上側の損益分岐点
110ドル+140ドル最大利益(売りコールの行使価格)
100ドル+140ドル最大利益(開始時点の株価)
90ドル+140ドル最大利益(売りプットの行使価格)
88.6ドル0ドル下側の損益分岐点
85ドル-360ドル買いプットの行使価格に到達
80ドル-360ドル最大損失(85ドル以下は一律)

損益のポイントは3つあります。

1つ目は、利益ゾーンは売った2枚の行使価格の間(90〜110ドル)で、この範囲なら満額の140ドルが利益になります。

2つ目は、最大損失は「スプレッドの幅 - クレジット」で決まることです。このモデルケースでは幅5ドルに対してクレジット1.4ドルのため、(5 - 1.4)× 100株 = 360ドル。利益の最大が140ドルに対して損失の最大が360ドルと、金額だけ見ると損失の方が大きい設計です。その代わり、利益ゾーンは広く取られています。この「当たる範囲の広さ」と「損益の金額」のバランスが設計の核心です。

3つ目は、損益分岐点は上下に2つあることです。下は90 - 1.4 = 88.6ドル、上は110 + 1.4 = 111.4ドル。株価がこの範囲の外に出ると損失側に入ります。

アイアンコンドルの損益図。利益ゾーン90から110ドル、最大利益140ドル、最大損失360ドル、損益分岐点88.6ドルと111.4ドル

向いている相場

アイアンコンドルが力を発揮するのは、次のような場面です。

  • レンジ相場: 株価が一定の範囲で上下を繰り返し、トレンドが出ていないとき。範囲内にとどまる限り利益になります
  • IVが低下していく局面: 売っているオプションの価値はIV低下で目減りするため、株価が動かなくても利益が膨らみます。決算発表を通過した直後など、IVが下がりやすい局面は代表例です
  • 大きな材料が当面ない時期: イベントがなければ、株価が急変するきっかけ自体が少なくなります

逆に、苦手なのは次の場面です。

  • 決算発表の直前: 予想が当たっても外れても、株価が片方向に大きく跳ぶ可能性があります。決算前にコンドルを組むのは、最も避けたいタイミングのひとつです
  • 強いトレンドが出ている相場: 上昇・下落の勢いがあるときは、利益ゾーンを突き抜けやすくなります
  • IVがすでに低い局面: 受け取れるクレジット自体が小さくなり、最大損失に対して見合わない組み立てになりがちです
アイアンコンドルの向いている相場と向いていない相場の対比表。レンジ相場とIV低下局面、決算前とトレンド相場

アイアンコンドルの組み立て手順

STEP
「大きく動かない」と見込める銘柄と時期を選ぶ

決算などのイベントが遠いことを確認

STEP
満期を選ぶ

一般的には数週間先の満期で組み、時間の経過による目減りを利益に変える

STEP
売る2枚の権利行使価格を決める

株価が届かないと見込む範囲の外側に置く。広く置くほど安全だがクレジットは小さくなる

STEP
買う2枚の権利行使価格を決める

売りから一定の幅を空ける。幅がそのまま最大損失の計算に効く

STEP
4枚を同時に注文する

受取クレジットと最大損失を最終確認してから発注する

アイアンコンドルの組み立て方5ステップ図。銘柄と時期、満期、売りレッグ、買いレッグ、同時注文の流れ

4枚を1枚ずつ時間差で建てると、その間に株価が動いて想定した形に組めなくなることがあります。複数レッグを1つの注文として出す「複合注文」が使える証券会社だと、ネットのクレジットを指定して4枚まとめて発注できます。

組み立てのときに確認したいのが、受け取るクレジットと最大損失のバランスです。一般的には、スプレッドの幅に対してクレジットが極端に小さい組み立て(たとえば幅5ドルに対してクレジットが0.5ドルしかないような形)は、利益ゾーンの広さに対して最大損失が見合っていないとされます。クレジットが小さいということは、それだけ株価が範囲内にとどまる確率が高いと市場が見ている証拠でもありますが、ひとたび外れたときの損失との釣り合いを、発注前に必ず数字で確認してください。

ポジション管理がこの戦略の本体

アイアンコンドルは、組み立てて終わりではなく、持っている間の管理が収益を左右します。一般的な目安として、次のような考え方が紹介されることが多いです。

  • 利確の目安: 受け取ったクレジットの半分程度まで含み益が育ったら、満期を待たずに決済して利益を確定する。残りの期間で最大損失側に振れるリスクと、残りの利益の伸びしろを比べる考え方です
  • 損切りの目安: 含み損がクレジットの2倍程度に達したら撤退を検討する、というルールがよく使われます。株価が売った行使価格そのものに到達した時点で見直す、という決め方もあります
  • 片側だけの対処: 株価が一方に寄った場合、圧迫されている側だけを決済したり、ポジション全体を閉じたりします。ズルズルと満期まで持ち続けないことが前提です

満期が近づくと、売った行使価格の近くでは価格の動きが荒くなり、わずかな株価の変動で損益が大きく変わります。また、売ったオプションが満期前に権利行使される(アサイン)と、4枚のバランスが崩れることがあります。「最大損失が決まっているから放置してよい」わけではない点が、この戦略で一番誤解されやすいところです。

複合注文ができる証券会社を選ぶ

アイアンコンドルは買いと売りの両方を使う4枚の組み合わせのため、まず売りに対応している証券会社が前提になります。ウィブル証券はオプションの買い・売りの両方に対応しています。

4枚をまとめて発注する複合注文まで視野に入れる場合は、サクソバンク証券が選択肢になります。サクソバンク証券は複合戦略を扱う中上級者向けの証券会社で、複合注文に対応しています。レッグの数が増えるほど1枚ずつ建てる手間と価格のずれが効いてくるため、アイアンコンドルのような戦略では複合注文の有無が実務上の差になります。各社の手数料や条件の比較は、ランキング記事も参考にしてください。

まとめ

  • アイアンコンドルは、プットスプレッド+コールスプレッドの4枚構成。クレジット(受取)で始まる
  • 株価が売った2枚の行使価格の間にとどまれば最大利益。利益ゾーンの広さが持ち味
  • 最大損失は「スプレッドの幅 - クレジット」で組み立て時に確定する
  • 向いているのはレンジ相場とIVが低下していく局面。決算前やトレンド相場は苦手
  • 利確・損切りのルールを先に決めるなど、持っている間の管理が本体の戦略

バーティカルスプレッドの「売り版」を上下に置いたものがアイアンコンドルです。2枚の組み合わせの損益計算ができるようになってから進むと、4枚でも数字が見通せます。

アイアンコンドルの要点まとめ図。4枚構成、クレジット開始、利益ゾーン、最大損失の計算、向いている相場

※本記事はオプション取引に関する一般的な教育情報であり、特定の銘柄や取引を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

アイアンコンドルのアイキャッチ。中央の利益ゾーンと両端の最大損失を示した台形の損益図

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