サクソバンク証券でも米国株オプションは取引できる
米国株オプションが取引できる国内の証券会社は限られていますが、サクソバンク証券はその1社です。「外国株式オプション」という名称で、米国の個別株やETFを原資産とするコールオプションとプットオプションを取引できます。
当サイトの証券会社ランキングでは、サクソバンク証券は総合3位に位置づけています。ただ、それは「初心者にとっての使いやすさ」まで含めた総合評価での話です。複合戦略やオプションの売りを本格的に使いたい中上級者にとっては、目的別では1位クラスの選択肢になります。
この記事では、サクソバンク証券の米国株オプションについて、手数料の仕組み、取引ツールの特徴、戦略の自由度、そして見落としがちな税金の注意点までを整理します。先に結論を言えば、サクソバンク証券は「初めてのオプション取引」をする場所ではありません。買いだけでなく売りや複合戦略まで踏み込みたい人が、腰を据えて使う証券会社です。

サクソバンク証券の基本情報
| 証券会社名 | サクソバンク証券 |
|---|---|
| 注文方法 | PCアプリ・スマホアプリ・WEB(SaxoTraderGO / SaxoTraderPRO) |
| 取扱商品 | ✓ 米国株(現物) ✓ 外国株式・指数オプション ✓ FX・CFD・先物 ほか |
| 米株オプション手数料 | ✓ クラシック:1枚あたり 2.2ドル ✓ プラチナ:1枚あたり 1.1ドル ✓ VIP:1枚あたり 0.825ドル(いずれも税込) |
| 最低手数料 | ミニマムチャージ(最低取引手数料)なし |
| 特定口座 | 外国株式は対応。ただし米国株オプションは特定口座の対象外 |
| 公式HP | サクソバンク証券公式HP |

サクソバンク証券でできる米国株オプション取引
サクソバンク証券の外国株式オプションでは、米国株と米国ETFのオプションに加えて、株価指数オプションも同じ手数料体系で取引できます。取引単位は現物の株式と同じく、オプション1枚が原資産100株分に対応するのが基本です。
特徴的なのは、取引が「サブ口座」で管理される点です。外国株式等オプションには日本円で決済する円口座と、米ドルで決済する米ドル口座があり、自分の資金管理のスタイルに合わせて選べます。
- コールオプション・プットオプションの買いと売りに対応
- 米国個別株・ETFのオプションと、株価指数オプションを取引可能
- 円口座(日本円決済)と米ドル口座(米ドル決済)を選択可能
- 限月を持ち越す売り建玉にはキャリングコストが発生する場合がある

なお、オプションの「売り」は買いと性質がまったく異なります。売り建てには証拠金の差し入れが必要で、相場が想定と反対に動いた場合の損失は限定されません。サクソバンク証券は売りの自由度が高い分、このリスク管理が自分でできる人向けの証券会社だと言えます。
手数料は会員ステージ制|クラシックは1枚2.2ドル
サクソバンク証券の米国株オプション手数料は、アカウントステージによって変わります。ステージは口座の純資産額や取引量に応じて決まる仕組みで、申込時に選ぶものではありません。全員がクラシックから始まり、条件を満たすとプラチナ、VIPへと上がっていきます。
- クラシック:1枚あたり 2.2ドル(税込)
- プラチナ:1枚あたり 1.1ドル(税込)
- VIP:1枚あたり 0.825ドル(税込)
- ミニマムチャージ(最低取引手数料)はかからない
正直にお伝えすると、クラシックの1枚2.2ドルは、国内で米国株オプションを扱う証券会社の中では高い部類です。ウィブル証券の1枚0.6ドル(税込)と比べると3倍以上になります。手数料の安さだけを比べるなら、サクソバンク証券を選ぶ理由はありません。
一方で、プラチナでは1.1ドル、VIPでは0.825ドルまで下がります。取引量が多く、ステージが上がる使い方をする人にとっては、十分に現実的な水準です。「手数料が高い」という評価は、どのステージで使うかによって変わる点に注意してください。
もう1つ、手数料以外のコストとして知っておきたいのが両替コストです。米ドル口座で米国株・指数オプションを取引する場合は、売買代金と手数料に両替コストはかかりません。ただし円口座を使う場合や、日本円のサブ口座と米ドル口座のあいだで資金を振り替えるときには、両替コストが発生します。ドル建てで資金を回し続ける人は、米ドル口座を選ぶのが基本です。
また、限月のある建玉を持ち越した場合、その建玉を維持するための証拠金に対してキャリングコストがかかる場合があります。短期の売買だけでなく、ポジションを持ち越す戦略を取る人は、取引ツールの取引条件で事前に確認しておきましょう。
取引ツールはSaxoTraderGOとSaxoTraderPRO
サクソバンク証券の強みは、手数料ではなく取引ツールにあります。ブラウザやスマホアプリで使える「SaxoTraderGO」と、PCにインストールして使うプロ仕様の「SaxoTraderPRO」の2種類が用意されています。

SaxoTraderGOは、ブラウザとスマートフォン・タブレットに対応した標準ツールです。チャート分析機能や銘柄スクリーニングなどが揃い、外出先でもポジションの確認や発注ができます。
SaxoTraderPROは、画面レイアウトを自由にカスタマイズできるデスクトップ専用ツールです。複数のモニターにチャート、オプションチェーン、建玉一覧を並べて監視するような、本格的なトレーディング環境を組めます。
- SaxoTraderGO:ブラウザ・スマホ対応。場所を選ばず取引できる標準ツール
- SaxoTraderPRO:マルチ画面対応のプロ仕様。レイアウトのカスタマイズ性が高い
- オプションチェーンから満期日・権利行使価格を選んでそのまま発注できる
- 外国株の現物とオプションを同じプラットフォームで一元管理できる
アプリの手軽さで選ぶなら他社に分がありますが、「PCの大画面で、チャートとオプションチェーンと建玉を同時に見ながら取引したい」という要望に応えられるのはサクソバンク証券の大きな特徴です。
複合戦略と「売り」の自由度がサクソの本領
オプション取引の醍醐味は、買いと売りを組み合わせる戦略にあります。カバードコール、キャッシュセキュアードプット、バーティカルスプレッド、アイアンコンドルといった戦略は、いずれも「売り」のポジションを含むか、複数の建玉を同時に組む必要があります。
サクソバンク証券の取引ツールは、複数のレッグ(建玉の組み合わせ)を1つの戦略としてまとめて発注する使い方に対応しています。レッグごとに別々に発注すると、片方だけが約定して想定と違うポジションになるリスクがありますが、戦略としてまとめて発注できれば、そのリスクを抑えられます。

- カバードコール:保有株にコール売りを組み合わせる定番のインカム戦略
- キャッシュセキュアードプット:買いたい価格でプットを売り、プレミアムを受け取る戦略
- バーティカルスプレッド:買いと売りを組み合わせて損失を限定する戦略
- アイアンコンドル:レンジ相場でプレミアムを狙う4レッグの戦略
当サイトのStage 3(戦略編)の記事で扱うような戦略を実際に回していく段階になると、ツールの対応範囲がそのまま「できること」の上限になります。戦略の幅で選ぶならサクソバンク証券が有力になるのは、このためです。
注意点|オプションは特定口座の対象外で、確定申告が必要
サクソバンク証券を使ううえで、最初に理解しておきたい注意点が税金です。
サクソバンク証券の特定口座は外国株式(現物)の取引に対応していますが、米国株オプション取引は特定口座の対象外です。つまり、オプション取引で出た損益は、証券会社が源泉徴収して終わりにはならず、自分で損益を計算して確定申告を行う必要があります。
現物株の取引に慣れた人ほど「特定口座(源泉徴収あり)なら申告は不要」という感覚でいるため、ここは見落としやすいポイントです。オプションの売買記録は取引報告書で確認できますが、申告の手間は自分の負担になります。年間の取引回数が多い人ほど、記録の管理を最初から意識しておきましょう。
なお、税区分や申告方法の詳細は当サイトの税金編の記事で、国税庁の一次情報をもとに整理しています。実際の申告にあたっては、最新の公式情報や税務署・税理士への確認もあわせて行ってください。
もう1つの注意点は、ツールの情報量の多さです。SaxoTraderPROは高機能な反面、用語や画面の前提知識が求められます。オプション取引が初めてで、まずは買いから小さく始めたいという段階の人には、正直ハードルが高く感じられるはずです。
サクソバンク証券が向いている人・向いていない人
ここまでの内容を踏まえて、サクソバンク証券が向いている人と向いていない人を整理します。
- オプションの「売り」を使った戦略(カバードコール、プット売り)を実践したい人
- スプレッドやアイアンコンドルなど、複数レッグの複合戦略を組みたい人
- PCの大画面で本格的な取引環境を組みたい人
- 外国株の現物とオプションを1つのプラットフォームで管理したい人
- 取引量が多く、プラチナ・VIPステージで手数料を下げられる見込みがある人
逆に、次のような人にはサクソバンク証券は向いていません。
- オプション取引がまったく初めてで、まずは少額の買いから始めたい人
- 手数料の安さを最優先したい人
- 確定申告の手間を避けたい人
- スマホアプリだけで完結する手軽さを求める人
初めての米国株オプションであれば、当サイトのランキングで1位にしているウィブル証券のように、手数料が安く、買いも売りも一通り学べる証券会社から始めるのが無理のない順番です。そのうえで戦略の幅を広げたくなったときに、サクソバンク証券を追加する、という使い分けも現実的です。

口座開設の流れ
サクソバンク証券の口座開設は無料で、オンラインで申し込めます。公式サイトでは入力は最短3分で完了すると案内されています。
公式サイトの申込フォームから、氏名・住所などの必要情報を入力します。本人確認書類の提出もオンラインで完結します。
口座開設が完了したら、SaxoTraderGOにログインできるようになります。まずはツールの画面構成に慣れるところから始めましょう。
取引資金を入金します。米国株オプションを米ドルで取引する場合は、米ドル口座への資金振替のタイミングで両替コストが発生する点に注意してください。
取引したい銘柄のオプションチェーンを開き、満期日と権利行使価格、コール/プット、買い/売りを選んで発注します。最初の取引は、損失がプレミアムに限定される「買い」から小さく始めるのが基本です。

まとめ|サクソバンク証券は「戦略で選ぶ」証券会社
サクソバンク証券の米国株オプションは、手数料の安さで選ぶものではありません。クラシックステージの手数料は1枚2.2ドルと割高で、特定口座の対象外という手間もあります。
それでも中上級者にとって有力な選択肢になるのは、SaxoTraderGO/PROという本格的な取引環境と、複合戦略やオプション売りの自由度があるからです。「買いだけでは物足りなくなった」「戦略を広げたい」という段階に来た人が検討すべき証券会社だと考えています。
4社の総合比較から入りたい人はランキング記事を、証券会社ごとの手数料だけを比べたい人は手数料比較の記事もあわせてご覧ください。


